Toolset32 SMGⅡjobリスト

BMW Standerd toolsにセットになっているToolset32ですが、おそらくほとんどの方は用途が分からず放置しているのではないでしょうか。

その理由はおそらくjob(実行コマンド)がドイツ語で、何を示しているか分からないからだと考えています。

しかし、生成AIによる画像認識と翻訳、内容解釈のサポートによって、驚くほど理解が簡単になりました。

僕も診断の為にSMG2のjob一覧を解釈してもらったので、参考用としてリストにしておきます。

ジョブ機能一覧

ジョブ機能一覧

ジョブ名 機能概要 ユースケース
initialisierung モジュールの初期化 クラッチ交換後や学習リセット後に再キャリブレーションを開始する
adaptionswerte_lesen 学習値の読み出し クラッチポイントやシフト学習状態を確認して摩耗や不調を診断
adaptionswerte_loeschen 学習値のリセット クラッチや油圧ユニット交換時に学習内容を初期化する
status_lesen 全体ステータス読み出し 現在のモジュール動作状態をモニターする
fs_lesen フォルトコード読み出し 現在の故障情報を取得
fs_shadow_lesen シャドウフォルト読み出し 過去に一時的に記録されたエラーの確認
fs_quick_lesen フォルトコードの簡易取得 短時間でのエラーチェックに
fs_loeschen フォルトコードの消去 修理後のリセットや検証前の初期化に
pruefstempel_lesen 検査スタンプ読み出し 工場出荷検査やサービス履歴確認用
pruefstempel_schreiben 検査スタンプ書き込み モジュール整備後の記録用
diagnose_aufrecht 診断セッション維持 通信のタイムアウト防止用(Tool32特有)
diagnose_ende 診断セッション終了 作業完了後にセッションを閉じる
getriebedaten_lesen トランスミッションの使用履歴取得 クラッチ摩耗度や走行距離といったパラメータ取得に活用
codierdaten_lesen コーディングデータ読み出し 設定のバックアップや確認用途
codierdaten_schreiben コーディングデータ書き込み SMG→MT換装時やカスタム設定適用時に
flash_lesen フラッシュメモリ読み出し ECUの内容をバックアップまたは解析用に吸い出す
flash_loeschen フラッシュメモリ消去 書き換え前の初期化処理(失敗時はリスクあり)
flash_schreiben フラッシュ書き込み 新ファーム(例:CSL版)への書き換え
flash_schreiben_ende フラッシュ書き込み終了 書き込み後のセッション終了処理
aif_lesen AIF情報読み出し モジュールの製造・構成情報を取得
aif_schreiben AIF情報書き込み 新品モジュールへの初期登録時などに使用
status_codier_checksumme コーディング整合性チェック 不正変更の確認や整合性トラブル対応に
baudraten_lesen 通信速度の読み出し 通信状態診断用
baudraten_umstellung 通信速度の変更 通信安定化や特殊接続時に
edic_reset 通信モジュールのリセット 通信エラー時の復旧処理に
set_edic_baudrate 通信ボーレート手動設定 通信失敗時に手動で速度を変更する場合
blocklaenge_max 通信ブロック長設定 データ転送の安定性や速度調整に
daten_referenz 参照データの読み出し 比較データとの突き合わせに使用
hw_referenz ハードウェア基準値取得 センサー値の整合性確認に
seed_key セキュリティアクセス鍵取得 特権コマンドの実行前に必要
ansteuerung_vorbereiten アクチュエータ操作準備 手動動作テストの事前設定
steuern_stellglied アクチュエータ手動制御 クラッチやシフトバルブの動作確認
testprg_starten テストプログラム開始 一連の動作確認(自動実行)を開始
testprg_stop テストプログラム停止 テスト動作中断
status_hardware_stati_lesen ハードウェアの詳細状態読み出し 実行中の圧力やバルブ開閉状況確認に
status_io_lesen IOステータス読み出し センサーのオン/オフなど簡易状態監視
status_io_stati_lesen IO詳細状態読み出し 詳細な信号解析用
status_fahrzeugtester_lesen 診断テスター通信状況の確認 通信状態の安定性確認に
speicher_lesen メモリ読み出し EEPROMの値確認
speicher_schreiben メモリ書き込み コーディング値や設定の保存
zif 設定情報読み出し モジュール設定の確認やバックアップ
zif_backup ZIF情報のバックアップ保存 設定復元時やモジュール交換前に推奨
sg_reset モジュールのリセット 不具合や通信エラー時の再起動に使用

BimmerGeeksProtoolを使うか、BMW Standard Toolを使い続けるか悩みどころ

ToolSet32と同等のことができるツールとして、DeepOBDとBimmer Geeks Protoolがあります。

特にBimmerGeeksProtoolはINPAの機能もセットになっています。

使いやすさやUIの美しさもBimmer Geeks Protoolに軍配が上がりますが、欠点はE系の初期起動が遅いことです。

ん〜、E系はいつまで経ってもBMW Standard toolが手放せないですね。

ちなみにF系以降はBimmerGeeksProtoolが最も使いやすいと感じています。速度も使いやすさも圧倒的です。

次へ
次へ

E46 INPAによるDSC(MK60)のメンテナンス操作