“M”enter
武藤 和寛 | テクノロジーコーディネーター
ソフトかハードかに関わらず、古き良きテクノロジーの価値を深く理解し、次の世代が活用しやすいインターフェースを研究開発しています。無いものは自分で作り、すでにある良いものは積極的に斡旋しています。
HISTORY
幼少期から、欲しいものはダンボールや厚紙、空き箱、割り箸、ブロック、積木、輪ゴムなどを組み合わせ自作。思春期は、父が壊したPC-98やカスタムPCの復旧と高速化に格闘する。青年期は、親友から譲ってもらった180SXのフルチューニングや、大学で支給されたモバイルPCで、P2Pソフトの活用やエミュレーションソフトの実装、AIプログラムの再現などに明け暮れる。
その傍ら、車を通じた人と人のコミュニケーションの価値に気づく。
アトピー治療の為、長時間、カムリで通院してた時に父から聞いた人生の失敗談。バイト代で購入した初めてのZ32で、フリーターたちとの夜間ドライブで聞いた思いのたけ。大学をサボって社会人先行組のFD3SやBG5 GT-Bでのドライブで聞いた業界裏話。180SXによるサーキット走行会の参加や、SW20での耐久レースのお誘いを通じて触れた中小企業経営者たちのやってみなはれ観。
高校を卒業するまで、割と内向きだった環境から、車を通じた他者とのコミュニケーションで、”やってみればなんとかなるもんだ”ということに気づけたのは、僕の財産となった。
当時学歴社会の中、あまり知られていない大学に入学したので、就職での優位性は期待できなかった。しかし、0から何か立ち上げた経験があれば高学歴を凌駕できると考え、社会人バスケサークルを立ち上げた。苦労の末これが上手くいく。
大学卒業後、大手企業のごみ焼却プラントの保全エンジニアとなり、ボランティア出勤で作成した整備手順テンプレートや工事経費可視化ツールのシェアによって、事業全体の目に見えなかったコストダウンに貢献。さらに大量の保全データを使った新規事業の企画と開発を主導(特許も取得)。並行して全社DXプロジェクトの技術部門コーディネーターを実施。
さらに労働組合青年部立ち上げやリーダーも行い、若手が先輩に知ってもらう為のイベント企画や実行などを行う。その後、執行部経営対策部に昇格し、データ収集・分析によるベースアップ交渉で初のベースアップを獲得。
仕事やモノ・コトの充実感が大きく、一生結婚しないと決意して、一生乗りたいS2000を購入し、食費よりガソリン代の方が高い日々を過ごしたものの、仕事で死の淵まで追い詰められたことで考え方が大きく変わる。
人間の存在意義は次世代を育てることにあると悟り、マッチングアプリでパートナーを探しはじめてから1年後に結婚。S2000を購入するときに悩んだE46M3に乗り換え、3人の子どもにも恵まれる。
仕事は、私利私欲にまみれた政治の壁を越えることができず、新規事業が実になるまで30年かかると悟り、転職活動をした所、有名外資系IT企業で採用してもらえたので転職。
転職後は設備保全データコンサル、特許や政府データ等のリサーチコンサルを担当。グローバル企業財務比較ツールのリバースエンジニアリングによる改良などを対応。
コロナをきっかけに、横浜から山梨県北杜市へ移住し、状況が一変。
たまたま子どもを入れたようちえんのパパ友たちが、ほとんど個人事業主または経営者で、苦労しつつも自由に楽しそうに生きている姿に衝撃を受ける。(起業家のバーゲンセールだった。)
起業の”き”の字すら反対派の超保守派妻も、この姿を見て起業容認派に。(これにも衝撃を受ける)
この時、仕事はほぼ毎日御前様で、育児はおろかデータビジネスを開発する時間すら取れず、妻とよく話し合ったのち退職。
これにより、プラント保全データ活用サービスのコンセプトを自動車整備業界へ転用したTSUNAGI GARAGEサービスを立ち上げ運営。(何度も失敗し、色々形を変えている。笑)
並行して、ごみから作ったエネルギー供給ネットワークの普及を目指すAiki Energyを立ち上げ。(これも結局、同じコンセプトをエネルギー業界へ転用)
今に至る。
これらがカメのスピードで進んでいるので、合間に”M”と念願だった自然農法による米作りを行っている。(実はこっちの方が面白い)
“M”の価値
エンジニアリング目線のアドバイスを提供
このサービスは、正規ディーラーさんや整備工場、カスタムショップではサポートできないサービスを、持続的に提供する事を目的にしています。
DIYオーナーさんもプロの整備士さんも、ハード系(機械系)は強いけど、コンピュータ関連はめっぽう弱い...という方は多いですね。
国内の整備士さんでも機械に関しては匠だけど、コンピュータはアレルギー反応が出る、という方は多いと思います。
特に大都市以外の地域においてはコンピュータ系のトラブルで、近所の整備士さんには入庫を断られ、ディーラーに泣き寝入りしても対応できないと言われてしまい、二束三文で処分せざるを得ないなど、悲しいことが起きていると聞いています。
まだ乗り続けたいのに..
そんなどうしよもない状態から、一歩踏み出す光明を提供したいのが僕のサービスです。
僕は元メーカー系プラント保全エンジニアです。建造に何百何千億円もするプラントは、車と比べると壊れたからって買い替えはできません。笑
しかもプラントは、1日で数億円の利益を生んだり、損失を発生させたりするので、どんなに困難な問題でも爆速で直さなければいけませんでした。(すみませんが、今はのんびりです。)
さらに、プラントはオーダーメイドだから技術資料がなかったり、資料と現物が違うことなんてザラだったので、その場の対応力がものを言いました。
この現場での対応力は、50代60代のベテランの中でも一部のスキルでした。
それを僕は20代で身につけたので、先輩には可愛がってもらいました。(これは現場で極限まで追い込まれて、覚醒したという感じで身につきました。笑)
せっかく身につけたこのノウハウをもっと身近で役立てられないかなと感じて初めてみたのが"愛車のサスティナブルサポート(Methodology)"サービスです。
車より厳しいプラントメンテナンスの"視点"を提供
プラント保全の現場では、図面もない、事例を知っている人もいない、アイデアを持ってる人もいない中で、目の前で起こっていることを確実に解決しなければならないというのは日常茶飯事でした。
機械系が強いけど電気系が弱いとかコンピューターが不得意とか言い訳できません。
今何するか、のみでした。
プラント保全エンジニアは、ユーザー系とメーカー系がいます。
メーカー系の保全エンジニアの存在は一般的にはあまり知られていませんが、設計に近いエンジニアです。自動車業界に例えると、ディーラー整備士というよりは、メーカー本社のエンジニアリング部門に所属するメンテナンスを考えるエンジニアです。
ユーザー系エンジニアは、プラントを保有し日々の運転やメンテナンスを行います。車に例えるとDIYで車を整備するドライバーです。
メーカー系保全エンジニアは、ユーザー系保全エンジニアが解決できない問題の相談役でした。
逃げ道がなかったので、分からないことでも調べて、持ってる知識と組み合わせ、解決案の仮説を立ててトライします。
ダメならまた別の仮説を立ててトライする。そしてお客様が納得するまで止めない。というのがメーカー系保全エンジニアに必要だったスキルです。
しかも、対応費用は大抵メーカー(僕たち)の持ち出しだったので、上司からは1発で解決しろとプレッシャーをかける人もいました。(めっちゃ嫌いな上司。)
お客様からは、プラントを作った設計部門に近いんだからなんでもわかるでしょ〜、と期待されていました。
ですけど、設計者も経験したことない想定外の問題が起きているので、すぐに答えは出せません。ましてや現場を見ていないので適切な答えを出すことは不可能です。実際に相談しても答えは的外れなことが多いです。
なので現場の状況やこれまでの経緯を知っている保全エンジニアが必要でした。なぜそのような設計にしたのかを設計者に聞いて、その設計思想から、なぜ今起きている問題が起こりうるのかを想像し、起こらないならその間に何があったのかを想像し、日常の運転で人為的な問題がなかったのか、自然災害的な問題がなかったか、工学的にどう変化していくかを想像していきます。
いや〜怖く見える設計担当に話に行くのは勇気が入りました。(でも話すと可愛いところがあるんですよ。)
先輩ですら、話に行くのを嫌がってましたからね。
僕は、問題を解決する方が気持ちいいので、突撃していました。(もちろん玉砕することも多々あり。)
これをやっていると大抵の場合問題の原因に辿り着き、解決することができたんです。
解決できた時の気持ちよさは、半端ないですよ。
世界トップレベルの技術者と思われているような人が解決できなかった問題を解決できてたんですよ?(20代半ばで)
なんとも言えない満足感がありました。
それを得る為に、必要な苦労を超えていけたんです。(これを変態という人は多々いました。)
しかし、自動車の場合、自動車の設計思想に関する専門書籍がたくさんありますね。プラントはありませんでした。
なので、気持ちはだいぶ楽です。笑
愛車のサスティナブルサポートサービスは、先人の叡智が詰まった書籍を"設計者"として擬人化し、この知識を参考に問題に対するアプローチを考えて行きます。
自分で解決するマインドを提供
今までオーナーとして色々な整備士さんと話したり作業をお願したりしましたが、本当に問題を解決できる整備士さんは
"マーケティングが上手いショップに対する反骨精神がある"
"お金より車いじりが好き”
"問題解決が楽しい"
なエンジニアさんでした。こんな整備士さんはもはや絶滅危惧種だと思います。
このような整備士さんを抱えているショップはお客さんが多すぎて、ネットに情報も流さないと思います。
それ以外は、オーナーさんがではできない作業を"代行をしてくれる方"という色が強い印象です。
ノウハウや作業プロセスが確立されている作業は、きっちりとプロ意識を持ってやってくれるけど、新しく出てきた未知の問題に対する対応は難しいと感じます。
たたでさえ整備士不足で忙しすぎて、薄給なのに...
整備士なんだからというだけで、作業を代行してくださる方に、いくらエンジニアリング観点の問題解決を詰めても出てくる可能性は少ないです。
保証だなんだと責任を詰めても、時間とお金を無駄にするだけで何も生まれません。
どうすれば、問題が解決できるのか、何が足らなくて先に進めないのか、そもそもどんなカーライフを送りたいのか、これらが自分の中で明確になっていれば自然と行動が変化するはずです。
自分で問題の原因と対策を考えて試してみて、ダメならまたトライしようと考え、うまくいったら自分の成果に喜び、そして費用も抑えられ、かけた時間に充実感を感じられる。
この流れはプラスしかありません。
こんな父や夫の姿を見て、マイナスの感情を抱くお子さんやパートナーさんはいないはずです。最低でも、まぁよくやるよなと半ば呆れ感情で見守られるくらいでしょうか。笑
この呆れはもはや褒め言葉でしょう。
とは言っても時間がない...という声が聞こえてきそうですが、何にそんなに時間を取られているのでしょうか。
本当に愛車を愛してますか?家庭内でコミュニケーションは取れていますか?
本当の満足感は、コミュニケーションの中にあると思っています。
一つのことを貫いた先に見える体験を提供
今まで僕は、僕のモチベーションがBMWのE系MやMINIにあったので、車種を絞ってサービスを展開してきました。
ですが、相談をちょこちょこ受ける中で、愛車にずっと乗って行きたい、なんとかしたいというオーナーさんのサポートをできることは、僕の喜びだと気づきました。
考え方として、僕だってE46M3のことをゼロから初めて、いつの間にかプロから相談をもらうほどになりました。
8年の積み上げがあります。プラントメンテナンスの経験を追加したら18年の積み上げがあります。しかも世界で一流レベルだった先輩達から叩き上げられています。
そしてこの技術をビジネスとしてシェアする方法は、丸々18年向き合い続けています。
間違いなく、アプローチ(考え方や見る視点、行動)はどのメーカーのどの車種でも通じるはずです。だって車の構造はもう成熟していて殆ど違いはないのだから。
あとは、自分一人で悩むより、一緒に考えてやってくれる人がいるだけで、びっくりするほど早く前に進めるはずです。
これも先輩達に教えていただきました。
一人でモヤモヤと悩んでいる中、僕にメールを打っている最中に頭が整理されて解決手段が浮かんできたりすると思います。(実際にそのようなオーナーさんが何人もいらっしゃいます。)
そうやって、車を通じて仕事もプライベートもより充実させられる力がいつの間にか身につくと確信しています。
一芸は道に通ずるということわざ通りです。プロアスリートが引退後全く関係ない分野で成功するのと同じことだと思います。
"好きなこと"であれば、楽しく楽していつの間にかこのスキルを身につけられると思います。
あとはこれが他のことにも通ずると自己認識するだけです。
"M"ethodologyサービスは愛車とのつながりを通じてこれに気づけることに真の価値があると信じています。
"M"eetup Hub
パートナーも
気持ちよくなれる場
をつくる
大切にしてきた愛車にこれからもずっと乗っていきたいと考えるオーナーさんの拠り所であると共に、ご自身で愛車を守れるスキルを身につけられる場をつくりたいと考えています。
僕を通じて、様々な困難な問題に対応したスキルが共有されるという意味で"M"eetup Hub(自宅)と名付けています。
保全エンジニアとして得た"自分で考えて行動する"力は全てのことに応用が効く万能スキルだと思ってます。
なので、みなさんと一緒に生涯磨き続けていける場を続けたいと考えています。
オーナーが技術を身につけられる場
正直日本では確かな技術を持つ整備士不足が顕著で、僕の肌感ではもはや手遅れだと感じています。
古くて良い車を直せる人が少なくなり、直すには大金が必要で、乗り続けられる人が少なくなり、新しいものに買い換えざるを得なくなります。
これは一部の人にとってはビジネスチャンスですが、大衆として機会喪失です。
整備工場さんや中古車屋さんのアドバイスをしていて感じるのは、乗りたい車に乗り続けるには、自分で問題を解決できるようにならなければ不可能だということです。
じゃどうしよう、自分でやるしかないか、どうやって修行しよう。
"M"eetup Hubはそんなオーナーさんの道場でありたいです。
パートナーも楽しめる場
車の趣味って、車に興味ないパートナーの本音はダサい、臭い、汚い、キモい、うるさいのネガティブオンパレードですよね。
特に、恋愛マジック(3年)が切れた後のパートナーの反応は顕著です。
さらには、恋愛期間に車に大きな不具合が起きてお金をかけすぎていたり、車関係のオフ会やショップでの雑談、作業などで長時間待たせたことがあるなら、恋愛マジックが切れた後のパートナーの対応は酷いものです。(パートナー視点では、今まで酷い目に散々遭わされてきたというのが言い分です。)
愛車の維持すら難しくなってしまったかもしれません。
やっぱり車の趣味を継続したいなら、パートナーさんにとっても車を通じた心地よい体験が必要だと考えています。
ここ、山梨県北杜市は、癒される自然、美味しいご飯、美味しい水、美味しいお酒、手頃な温泉など、癒しの全てが揃っています。
お互いがそれぞれ心地よくいられる、そんな気づきを与えられたら、これも僕の大きな喜びです。
追伸
僕は妻と付き合いたての頃、夏の灼熱の中、妻を長時間待たせてしまったことがあるんです..
ショップにタイヤ交換をお願いしていて待っていたのですが、中々終わらない...
ショップさんに僕も気を使ってしまって、妻を待たせてることを言えなかったんです..
伝えたら、ショップさんは必死に対応してくれましたが、妻は熱中症寸前。カフェで待っててもらったのですが、カフェが飽きて外に出てしまったようです。
この反省は、今も引きずってます。
なので、パートナーさんが待ってる時間、時間を忘れて癒される体験を提供したいと、強く思っています。