HONDA BIKE ECUチューニングツール

以前、E92M3のコールドスタートデリートのサポートをしたオーナーさんから、HONDA CRF125FのECUチューンもM3と同じようにDIYできるツールはありませんか?と問い合わせがあったので調べてみました。

ありました。笑

Mcuinnovations

こちらのブランドのツールを使えば、僕がE46M3やE9xM3、R5x MINIでECU(DME)チューニングしているのと同じ方法で対応することができます。

おそらくCJR Pafomanceさんと同じ種類のパラメータ変更が可能だと思います。

対応車種は、CRF125Fだけではなく以下も対応しています。

  • Honda CBR 1000 RR-R (2024)
  • Honda CBR 1000 RR-R (2020-2021)
  • Honda CBR 1000 RR-R (2022-2023)
  • Honda CBR 500 R (2013-2014)
  • Honda CBR 500 R (2017-2019)
  • Honda CBR 600 RR (2021-2023)
  • Honda CRF 110 (2019-2024)
  • Honda CRF 125 (2019-2024)
  • Honda CRF 250 L (2014-2015)
  • Honda CRF 250 L (2018-2020)
  • Honda CRF 300 L (2020-2021)
  • Honda CRF 300 L (2023-2024)
  • Honda CRF 450 L/RL (2021-2024)
  • Honda CRF 450 R/RX/RWE (2022-2024)
  • Honda GROM 125 OG (2014-2015)
  • Honda GROM 125 SF (2016-2021)
  • Honda Z 125 MONKEY (2019-2021)


ちなみに僕が”対応している”という意味は、”データを読み書きできるツール”と”データを編集できるツール”がセットで揃っている車種です。

以前、BMW E46系のチューニングツールについての説明と同様に、データを純正ECUから読み込んだり書き込んだりできるツールと、データを編集できるツールがあります。

この認識はお間違いないように。

”書き込み≠編集”です。



目次

読み書きツール

読み書きできるツールに絞れば、おそらく2016年以降のHONDA BAIKE全車種対応しているのではないでしょうか? (YAMAHA、KTM、RenesasRecoveryも対応しています。)

以下が対応表のリンクです。
https://mcuinnovations.com/ecudb/supported/

購入ページのリンクです。
https://mcuinnovations.com/software/hondaecu/
※CRF125Fはおそらく150ドルのツール(Kline:Flash)方で大丈夫です。


車両との通信ケーブル

車両との通信は、j2534規格に対応したケーブルが必要です。ツールのページには、CanBusとklineというキーワードがやたら出てきますが、これは対応する通信規格です。上記の対応表から、各車両でどの規格が対応しているのか記載がありますが、正直微妙にわかりずらいです。

ですので、ここは両方に対応しているOpenPort2.0ドングルを購入するのが良いでしょう。30ドルです。


編集ツール

これまで、エディターと言えばTunerProかRomRaidarでした。ですがこれらのツールは定義ファイル(車両のパラメーターの意味を説明してくれるデータファイル)が必要でした。

僕も最初定義ファイル(XDF)を探したんですよね。

でも無かったので諦めていました。

ですが、Mcuinnovationsさんは用意してくれてました。

ECU Workbenchという言い方をしていますが、これはエディターです。

CRF125Fなら定義ファイルが50ドルです。
https://mcuinnovations.com/software/ecuworkbench/Honda-Keihin-K28J/

定義されている項目を見ると、 AlphaN(燃料噴射マップ)とIgnition Timing(点火マップ)があるので、十分にチューニングできると思います。


チューニング環境を整える

適切にチューニングするには、データログでスロットル開度とエンジン回転数に対する空燃比や加速度を取得できる環境を整える必要があります。

そのデータをもとに燃料噴射量や点火タイミングを見直していきます。

オールインワンの環境でできるコンポーネント案を考えてみました。



モジュール 参考価格 参考製品
miniPC 30,000
スマホ -
HDMIケーブル 1,500
モバイルバッテリー -
USB to DC12V 3A 1,000
klineドングル 5,000 OpenPort2.0
USBケーブル -
ワイドバンドO2センサー 40,000 innovate LC-2
読み書きツール 20,000 HONDA ECU klineFlash
エディター 8,000 Workbench
データロガー - innovate LogWorks
トータル 105,500



本当はaRacer(アレーサー)を使ってみたい

上記モジュール構成およびセッティングが全部自動でできるのがaRacer RC miniXです。スマホでセッティングもできちゃうから、めちゃめちゃ楽でいいなって思います。

AlphaNマップも自動調整してくれるらしいので、めちゃくちゃ楽ちんです。 (僕のM3のベースマップチューニングも自動化ソフトウェアを開発しようとしているので、仕組みや方法は分かってます。)

ですが、CRF125Fの対応はメーカーカタログにも書いてないです。

CRF110Fなら対応と書いてあるんですよね。

問い合わせても返信ないし..

しかも、どこも品切れで買えない..

でもMcuinnovationsでECUの情報を見る限り同じだと思うんです。

バイク自体もエンジンサイズが15ccしか変わらないんだから、僕がチーフエンジニアだったらモジュールは全部同じにします。

ということでおそらくCRF110Fと書いてあるものが、CRF125Fでも使えると思うんです。

制御や使うマップは同じで、違うのはパラメータだけだと思うんです。少なくともMcuinnovationsの情報では同じ扱いです。

これは実験してみたいな〜。実験してみたい方がいらっしゃいましたら、お手伝いさせてください。(有料ですが..)

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