E46 M3 前期型オーナーさんのDSCの不満を解消する方法
前期型DSC(MK20)のコーナリング中の不自然なブレーキ介入と立ち上がりのもっさり感が、世界中で嘆かれているようですね。
前期型のオーナーさんの中には、後期型のみコーディング可能性なM-trackモードが欲しい方もいらっしゃると思います。MK60(後期型DSC)へのコンバージョンはできないのか?いくらかかるのか?とモヤモヤしている方もいらっしゃるのではないかと思います。調べてみるとDME、DSCユニット、スピードセンサーなどの交換が必要で、パーツ代も工賃も高く、費用対効果的に現実的では無いようです。
そんな前期型オーナーさんを救ってくれるのが、アメリカBuildjournalのB-spec tuneです。
パワーアップはもちろんのこと、MK20の制御をM-trackモードに近づけたチューニングプログラムを提供してくれています。
今回は前期型オーナーさんの救世主、buildjournal B-Spec tuneについて紹介したいと思います。
※BuildjournalはアメリカのE46M3愛好家で、フルタイムで働きながら前期型E46M3を弄り&走り倒して研究されています。その結果を技術面からのアプローチで情報を公開してくれています。サーキットを主なステージにされているオーナーさんは既に参考にされているかもしれません。日常にフォーカスされているオーナーさんにほ馴染みがないかもしれませんので、この機会に他のブログ記事も良く読んでいただくと、今後の愛車の楽しみ方の参考になるかもしれません。
こちら、MK20 DSC Sport tuneやスロットルSport Plus tuneなどを単独でオーダーできるようになりました。詳しくはこちら。
2022/7/31更新
オプションの概要
オプションの説明を一部代表的なものを抜粋して、ざっくりと記載しました。
オリジナルECUチューニング
buildjournalが独自にチューニングしたエンジン制御プログラムです。ノーマルエアボックス+触媒レス仕様車で最大限の追加パワーを得られるそうです。触媒ありでも、増加量は限定的であるものの、OKだそうです。
オリジナルMK20(DSC)チューニング
M-trackモードに近づけた制御です。コーナリング中のアシストがギリギリまで介入しません。このチューンをすると常にこのmodeになります。後期型には対応していません。(M-track modeをコーディングして下さい)
詳細解説はこちら。
オリジナルスポーツモード(アクセル開度)チューニング
ただ単にアスセル開度とスロットル開度の相関を調整するだけでなく、乗りやすいに関する基本パラメータも調整して、よりレスポンス重視にチューニングしているそうです。
その他
ECUWORXのメニューと冷却ファンチューン、パワーセーブモードなどのオリジナルメニューを追加費用なしでオプションとして選べます。これにはCSLプログラミングも含まれています。詳しくはECUWORXメニューを見てください。
気になるお値段
329ドルです。(約5万円/1ドル約150円換算)
オーダー方法
こちらのbuildjournalのホームページからオーダーします。
buildjournalのオーダーページから、ご自身の車両情報や希望するオプションを選択し、自分の車のパラメーターファイル(BINファイル)をアップロードすることで注文できます。決済完了後、数日(5日以内)するとチューンされたBINファイルがメールで届きます。そのBINファイルを自分で書き込んで完了です。
オーナーさんのレビュー
以前、CSLプログラムを施工したオーナーさんからのリピートでこちらの施工をお受けしました。こちらのオーナーさんは前期型を所有され、とにかくM-track modeをなんとか入れられないかと相談を頂いて、こちらを提案しました。僕は後期型で試せないので、オーナーさんが人柱になるとのことで入れてみました。結果、満足のいくフィーリングになったそうでレビューを頂きましたので、少し編集して掲載しました。
こちらのオーナーさんの前提条件ですが、ノーマルエアボックス+触媒ありです
※Buildjournalの推奨はノーマルエアボックス+触媒なしです。
オリジナルMK20(DSC)チューニング
今まではタイトコーナー(ヘアピンカーブのような)だと辺に介入して作動してしまいほぼ失速したような状態だったのですが、変な介入がなくなりぐいぐい前に出ていく感じになり、きれいにコーナーを抜けていきます。うまくアクセルと連動して気持ちよくコーナーを立ち上がっていくようになっています。
オリジナルECUチューニング
ECUチューニングの方も全体的に非常に良い感じです。CSLプログラミングとのシフトタイミングなどもこれのほうがしっくりきます。もともとモーターのようなエンジンですがさらに増した感じで加速力はかなり上昇し4000回転からはかなりパワーアップしています。かといってトルクも2000回転くらいから確実に増加しているのでかなり乗りやすくなりました。どの回転域からでもスムーズに加速するようになっています。特に高速で6速からでもトルクフルに加速していくので非常に快適です。また、全体に振動や音はエンジンがマイルドになった感じがします。前の荒々しさが少しモーター感が出た感じと言ったらいいのでしょうか。
オリジナルスポーツモードスロットルチューニング
私のはもともとスプリントブースターというのをつけてレスポンスの調整をしていました。スポーツモード+ブースターで慣れてしまっていましたが、今回施工してもらってからは、そんなにレベルを上げなくても少しだけブースターを利かせるだけで良くなりましたが、それが非常にスムーズで自分の感覚にあうようになりました。数段階下げても同じようなレスポンスになっています。ブースターで上げていたときは少しぎこちない感が出ていたのですが今回の施工でのレスポンスアップのほうが自然な感じでアクセルを踏んだ時の加速感もより自然な自分の感覚に合っていてこちらも非常に良い感じです。
>この説明はこちらの解説を読むと納得がいくかもしれません。
まとめると..
とにかく自分の車両は、変えている部品と見事にマッチした感じがします。ノーマルだとどうなるのかなというのもちょっと興味あります。以前も楽しかったですが、不満な部分が改善されるようなプログラムだと思います。全体的に気持ちよさが増強された気がします。調子よすぎ&アクセルワークに慣れず、スタートでホイールスピンしたりしてます。
オーナーさまよりパワー、トルクに関係していると思われる変更部分を共有頂いたので、掲載します。
・リアマフラー
・純正形状高効率エアークリーナー
・パワープーリー
・レーシングプラグ
・イナズマダイレクトイグニッションコイル
・ステンレスオイルフィルター
・ビレンザ
スーパーレーシングオイル5w-35w
・ICE FUSE
用語説明
わからない用語が一つでも出てくると、なぜだか理解しようとする意欲が削がれますよね.. オーダーページで出てくる用語について簡単な説明を記載しました。
Stock / OEM / Factory
この3つの用語は日本でいうノーマルと読み替えてOKです。ここ以外でも海外系のサイトではよく出てくるワードです。同じ意味で使われています。
Header(US)/Section1(EU)
触媒のことです。アメリカだとエキマニから触媒までを指すようです。セクション2がセンターパイプ(触媒→マフラー)、セクション3がマフラーです。これも海外では共通の意味で使われています。
E85 / E30
エタノール混合率です。アメリカだとガソリンへのエタノール混合率が85%のものと30%の物が買えるようです。アメリカでは15万スタンドあるうちの3000スタンドくらいでしか取り扱っていないようですが、Buildjournalさんがお住まいの地域だとあるんでしょうかね。E〇〇というのは世界標準のエタノール混合比率表記です。インディカーはすでにE100で、F1も2022シーズンからE10になりましたね。
施工代行を受け付けています
基本DIYを推奨していますが私に頼んでしまいたい方へ、施工代行を受け付けております。
また、Buildjournalチームと交渉し、B-spec Tuneのオプションのみをオーダーできるようになりました。詳しくはこちらをご覧ください。