初めてのサスティナブルサポートサブスクリプションオーダー
メニューにサスティナブルサポートサブスクリプションを追加して、記念すべき初めてのオーダーを頂きました。今回は実際に行ったサポートについてまとめています。
初めてのオーダーというよりは、やりながらメニューを開発したという感じです。
オーナーさんから、"いっしょに開発した感あるがら、このメニューが売れて欲しい〜"って言って下さいました。
内容は、E46M3 CSLスタイルカーボンエアボックスのコンバートです。
お金は頂いているけど、お互い対等に、言う事は言うし、気を使うところは気を使うし、譲る所は譲り、譲りたくない所は貫いてみたり笑
コミュニケーションを良く取りながら、一緒に、気持ちいいエンジンレスポンスを追求していきました。(というか、まだ継続中。)
何よりも、やりながらオーナーさんの成長を感じ取れるので、こちらもやってて気持ちがいいです。
※このコンテンツでは、E46M3のチューニングに関する具体的な説明や用語が含まれますが、これらの詳細は"M"enuに含まれる"M"appingをご参照ください。
サマリー
- 始まりは、僕のM3に同乗してから
- オーナーさんの愛車仕様
- サポートはパーツオーダーとDME書き換えと、DMEチューニング
- DMEチューニングはオーナーさんが納得するまで何度でも
- サポート期間は実質1年間
- オーナーさんと僕とのコミュニケーション例
- 僕から見たオーナーさんの成長
- 上手くやれてるのは、オーナーさんがアントレプレナーシップを持ってるから
- このサポートは、丁寧に楽しんでやりたいので受注件数を制限
始まりは、僕のM3に同乗してから
オーダーをくださったオーナーさんは、以前、愛車(E46M3 USコンパーチブル)のDME制御を、日本(EU)仕様へ書き換えるご依頼をくださったリピーターです。
(エキマニと触媒の交換は愛知のTKスクエアさんへオーダーされていました。)
確かその前に、シフトライトとリミッター解除O2センサーデリートもご依頼頂いていました。
オーナーさんは新潟在住なのですが、US仕様だったこともあって何かを試す関係で何回か白州まで起こし頂いてたんです。(何を試したかは忘れてしまいました..)
その間、僕はTurner製エアボックスに交後した後のチューニングを試していたんです。
ある程度セッティングが収束して、エンジンサウンドとレスポンスに感動したので、オーナーさんにちょっと乗ってみませんか?って提案したんですよ。
そしたら、これもうやりますわ。って即決になりました。笑
オーナーさんの愛車仕様
僕の仕様に近づけたいということで、サウンドとレスポンスに影響する部分はコピーしました。
- Karboniousエアボックス(僕はTurner)
- サクラム等長クロスフロントパイプ(僕は旧型タイプでオーナーさんは触媒部のみ純正残しタイプ)
- パワークラスターエンジンオイル(これから)
- VE制御(MAPセンサー値も加えた負荷計算)
オーナーさんオリジナル部分は以下です。
- オレンジウルフマフラー
- オカダプロタクツイグニッションコイル
オレンジウルフさんのマフラーも高回転はいい音しますね。
サポートはパーツオーダーとDME書き換えと、DMEチューニング
サポートした事は、
- エアボックスの選定アドバイス
- エアボックスのオーダー
- その他部品の選定
- 部品のオーダー
- DMEの選定アドバイス
- DMEのオーダー
- DMEの書き換え
- DMEチューニング
オーナーさんがやった事は、パーツ取り付け全般です。
最初は僕と同じTurnerのエアボックスにするという話でした。
しかし、僕の車のセッティングを詰めてる中で、Turner製はセッティングを煮詰めても低回転トルクが出にくい話と、karboniaus車両にAlpha-N制御を設定してみたら夏はトルク不足を感じなかったことをお伝えしたら、散々悩まれたあげく、karboniausを選ばれました。
DMEは後期型を中古で購入し、僕の車に取り付けて書き換えと動作確認を行いました。
これをオーナーさんへ送って、DMEの交換もオーナーさんご自身で対応されました。
負荷制御はAlpha-NではなくVE制御仕様です。
データログで、それぞれの制御で参照する負荷の値を比較すると全然違ったので、VE制御をお勧めしました。
MAPセンサーの取り付けは、キットと配線ガイドをお送りして、ご自身で対応して頂きました。
センサーは僕で取り付けても良かったけど、オーナーさんは本職が電気関係(だし、自分で取り付ける方が楽しい)と言う事もあり、ご自身で対応されました。
パーツを注文する前も、必要部品をスプレッドシートでまとめて品番と費用を間違えないように行いました。



DMEチューニングはオーナーさんが納得するまで何度でも
karboniaus に合わせたVEマップのセッティングは、何回も白州までお越し頂き、データログを取って書き換えて、またログを取って書き換えてを繰り返しました。
概ね収束するまで4回ほどお越し頂き、書き換え回数は18回程度でした。
僕のチューニングデータをベースにしたので、比較的早かったかなって思いました。
テストコースは、白州から武川方面や清里方面など、さまざまな負荷がかかる道を選定し、網羅的にデータが取れるようにしました。
お昼に小作でほうとうを食べたり、清泉寮でソフトクリームを食べたり楽しくやらせていただきました。笑
データログによるVEマップ調整がひと段落したら、手作業でVEマップに仕上げを加えて、WOTマップとトルクリミットマップを計算値で設定しました。そしてオーナーさんの車へはリモートで書き換えました。
これを試してもらったら、中間領域(VE)はバッチリということでした。
ですが、全開領域(WOT)はエンジンが頑張っちゃってる感をなんとかしたいということで、微調整に入りました。
この後の調整は、WOTの燃料とトルクリミットを少しずつ下げて行って、トルク感とフィーリングの落とし所を詰めていくアプローチです。
データ作成は僕がやるとして、車両への書き込みはご自身で行いたいということで、僕がQuickFlashを代理で購入し、オーナーさんのPCへリモートでセットアップしました。
QuickFlashを使った書き込み方法もリモートで実演し、すぐにご理解いただけたようです。
データは、オーナーさんのご依頼で6パターンほど作成しました。
書き換えて、走って確かめて、また書き換えてをオーナーさんご自身でご確認頂き、一番オーナーさんのフィーリングに合うデータを選んでもらってます。
燃料もトルクリミットも下げたにも関わらず、オーナーさんとしてはいいフィーリングだとおっしゃってました。
この取り組みは継続中です。
あとは、中古クラスター(メーターパネル)を交換した後のVINとオドメーターの書き込みにチャレンジ中です。
通常は、E46系でもM3のクラスターに限り、x-progやR270を使って工場出荷状態(メモリをクリア)しなければならないようです。
でもな〜、この方法だと基盤を剥き出しにしてEEPROMに直接配線しないといけないのが面倒です。
EEPROMのBINを直接編集して書き込めることは実験してわかりました。VINと距離が記録されているアドレスと値のエリアも分かったので、書き込んでみます。結果が出たら共有します。
サポート期間は実質1年間
サポート提供の形としては、僕が思い描いていた理想形になりました。
ですが、最初は都度サポート費用を頂いてたんです。
でも最初の書き換えを行った後の段階で、やっぱり微調整を加えていきたいけど費用が気になるオーナーさんと、安く何回も調整対応に時間を使う僕の気分の悪さの間をとって、サブスクリプション(定額サポート)が生まれました。
データログを取る時に、オーナーさんも同乗する中で、どうしたらお互い気持ちよくやれるかねって雑談する感じでサービス内容も詰めていきました。笑
これまでお伝えしたサポート内容を、オーナーさんの都合も、僕の都合も無理なく調整した結果、作業が収束した期間が概ね1年でした。
なのでサブスクの期間は目安1年が期限がいいかなと今の所考えています。
でも、今いただいているオーダー(プロジェクト)を考えると、ケースバイケースだなって感じているので、1年に縛られすぎないようにしたいなって思ってます。
なので、オーナーさんとよく話し合って対応を決めていきたいと思ってます。
サブスクより、プロジェクト単位の準委任業務委託契約(コンサル契約)の方がイメージが近いかもしれません。
オーナーさんと僕とのコミュニケーション例
いくつかLINEのやりとりを公開します。







僕から見たオーナーさんの成長
目にみえる大きな変化は、オーナーさん"ご自身でデータの書き込みを行ってみる"と、オーナーさんから進言があったことでした。
もともとDIY好きのオーナーさんで、コーディングや追加メーターなどの設置や設定もご自身でやっていました。
ですが、メーターのコーディングで失敗してしまった事を期に、コンピュータ系のDIYは遠ざかっていたようです。
今回僕と一緒にプロジェクトを進めていく中で、僕が何度か思い通りに行かないことがあっても、都度クリアしていく様を側でご覧になっていました。
それを見て、失敗してもなんとかなるもんだと、失敗のハードルが下がったのではないかと思います。
オーナーさんは、R59 MINI Roadstarも増車されて、JCWコンバートももしかしたら(笑)挑戦するようです。
上手くやれてるのは、オーナーさんがアントレプレナーシップを持ってるから
このオーナーさんは、リスクを恐れず新しい価値を自ら進んで得ようと挑戦する感覚をお持ちでした。
オーナーさんと会話をしていて、ご自身が実現したい世界観を定めて、それに必要なピースを自ら揃えていってる印象を受けます。
例えば、重整備をお願いしているTKさんでも、ソフトウェア処理は外注でできるようですが、コンピュータは僕が面倒見ているから、これまでの背景を分かっている僕に頼んだ方が、何かあった時のトラブルシューティングもスムーズだろうと判断されていました。
あと、USからEUにコンバートした後、走行中にエンジンが失火してガラガラ音がするようになってしまっでも、僕とTKさんそれぞれから情報を引き出し、どちらに文句を言うわけでもなくTKさんに腰下ホールを依頼する決断をされていました。(前期USでよくあるクランクベアリングの摩耗が原因だったようです。)
何事も、判断が自分基準であり目指す軸がブレていないので、どんどん物事が進んでいったように思います。
さらに、僕はまだVANOSチューニングの実績はなく、まだ研究中なのですが、僕の状況を理解した上で、今はまだやらなくても良いという判断をされました。今後カムをシュリックなどに変更したいようなので、その時にまたチューニングの試行錯誤を楽しむから、その時よろしく!という感じでした。(これも僕が既存マップの特性を分析していることと、シミュレータを使ったチューニングをテスト中である話を聞いた上での判断ではあります。)
僕も含め、多くの人がそうだと思うのですが、サービスが成熟したり、良いレビューが出るまで待つ人がほとんどだと思います。
イノベーター理論でいうところの、アーリーマジョリティー、レイトマジョリティー、ラガードです。
これが悪いとうわけではありません。多分自分の興味関心度のテーマによって、変わると思います。
言いたいのは、自分の最も重点を置いているものに関してもこれだと、楽しむ機会を失っているんですよね。リスクを怖がり過ぎて今すぐ手に入る楽しみを先延ばしにしてると思うんです。
リスクなんて少し考えれば大したリスクなんてないのにね..
それよりも今得られるもの得ず、それを楽しむ大きな機会を失っているリスクに気づいていないんです。
今回のオーナーさんはこの辺のリスク管理というか、今できないものは待ってもしょうがないから、今できる最大のことをやって楽しむって感じが清々しいです。
VANOSチューニングも期待はしつつも、それが実現しなくてもまぁなんとかすればいいかというオーラが常に出ています。
MINIという新しいおもちゃも見つけたようですしね。笑
っとごちゃごちゃ書きましたけど、オーナーさんは、単純に車の趣味に全振りしているだけだと思います。
全振りしているから、自然とイノベーターやアーリーアダプターになるんだと思います。(いや、でもスキーの様子がLINEでちょくちょく送られてきたな..)
多趣味で色々なことを大切にされていると、どうしても割けるリソースも分散されてしまうから、保守的にならざるを得ませんね。
僕は、保守的な会話はクッソつまらないというか、イライラしてしまうので合わないと思ってます。(昔自分もそうだったくせに、どの口が言うんでしょう。)
別に心配事を口にするなというわけではありません。心配なら別の方法案を自ら提案したり、リスクをどこまでなら許容できるか、リスクが発生した場合どのように対処するのか質問があるなど、双方向の会話が成り立つことが重要なのです。(という風に、先輩から叩き上げられました。)
この壁が、アリーアダプターとアーリーマジョリティーの間に存在すると思ってます。
なるほど〜。
僕もこうやって記事を書いたことで、僕がうまくやれるオーナーさん像がはっきりしてきました。
というか、全く同じことを繰り返すって、著しくモチベーションを失ってしまうんですよね。会社員時代はルーチンワークが嫌で苦労しました。
なぜ、マニュアルがあれば誰でもできることを、こんな苦労してやらなければならないんだ。30年同じことの繰り返しで、人が十分いるのになぜマニュアルを作ってないのか。
今思えば、マニュアルは必要ないけど、人から人に技術が繋がるコネクションを持続させることが何よりも大事だと思います。
効率化/経費削減と言って人を減らすことは愚の骨頂だと思います。
人と人とのコミュニケーションを省くからマニュアルが必要になるんですよね。
減らすべきは、これもやらなければいけないという自分の常識を疑って、自分の時間や他人の時間を奪う仕事を減らすことだと思います。
そして雑談こそ、価値を生む重要タスクだと思ってます。
これをいうと、組織的な考え方をする人だと雑談タイムを儲けようとしますが、これだと意味がありません。
一緒に仕事をこなす中で生まれる偶然の雑談です。雑談というより脱線の方が表現として合っているかもしれません。
すみません。脱線しました。笑
この話をすると、本一冊書けると思います。そうか!書けばいいんだ。
と言う感じです。
このサポートは、丁寧に楽しんでやりたいので受注件数を制限
儲けを重視して、どかっとお受けすると、オーナーさんとのコミュニケーションやサポートの品質が著しく低下するので受注を制限しています。
このサポートは、オーナーさんと1対1で腰を据えて行うことに価値があると考えています。
また、バイオエネルギー事業の立ち上がり期でもあるし、まだまだ小さい子どもたち3人の育児期でもあります。
毎日不確実(子どもの調子)な生活をしつつ、不確実な問題へ対処している為、非常に集中力を要します。
投資家からの無用なプレッシャーを避けるため、無借金の完全自己資本で開発や事業を行い、あふれるアイデアと試したい衝動を抑え、刀を研ぎ澄ますように行動を選び、一つ一つの作業を丁寧に積み上げていくように行っています。
(これをやれるようになるまで、日々精神力の鍛錬が必要でした。今も鍛錬は継続中ですが.. 2、3年前までは多動症というかADHDというか、そんな昔じゃないけど良い思い出です。)
ですので、多少費用はかかっても、実現したい強い願いがある方のお力になりたいと思ってます。
僕がやったことは全部ブログにあげているので、同じことを安く早く実現したい方は、僕のブログを見て安くできる方にお願いしてください。
周りにできる人がいない、コピーじゃなくて解消したい独自の問題や方向性を実現したいという想いに応えたいと思います。
(とはいっても、周りにこのようなサポートの話をすると十中八九安すぎるのでは?と言われます。でも僕としては、僕がやりたいことを実現するための必要十分のお金があればいいです。服は仕事以外で10年は買ってないし、髪の毛も自分でカットしています。飲み会にも年1回行くかいかないかですし、お酒も、頂き物とか地域のイベントでの余り物で楽しんでます。旅行も、移住してから毎日リゾート生活気分なので、どこにも行きたい気がしません。住居費だって横浜に住んでた時の65%ですし、お米も天然水を使って自分で作ったもので美味しく、発酵調味料、自家製味噌を使った妻の手作り料理は唯一無二で...これ以上はよく分からない自慢話になってしまう気がするのでやめておきます... 唯一の不満は僕が妻に何をしても喜ばれない所にあります。笑←現状ここだけ負のスパイラルにありますが、ちょっとずつ復調しているかな?笑)
僕に必要なのは、必要十分なお金と、心身の健康とエネルギー事業や子ども達に投資できる時間です。
これらを損なうご相談やご依頼は丁重にお断りしておりますのでご容赦願います。
でも僕とやると決めていただいたオーナーさんとは、諦めることなく徹底的にやりましょう!
一人一人のかけがえのない人生を、勝ち負けで表現したくないけれど、人生自分の目標を諦めずに、その過程の苦労すら楽しんでしまったもん勝ちだと思ってます。
諦めるから辛いんです。