E46 M3 開発車両のスペック
E46M3のパフォーマンスアップデートをご依頼を頂いたオーナー様たちの共通の要望は、"他の人のM3と自分のM3を比較して自分のM3の状態を把握したい"でした。
この要望を少しだけ叶えるべく、僕のM3の状態を書いておきたいと思います。
みなさん、E46M3の運転フィーリングに惹かれており、このフィーリングをどこまで高められるか、改善できるのか、見当つかないことにモヤモヤを感じられていました。
評価指標がないから、メンテナンスやアップデートにどれだけお金と時間をかけていいのか判断が難しい、というのがみなさんの共通の悩みだと思います。(僕もです。)
この悩みを解決しようと、誰もが納得できる評価手法を開発したいと思い、その経過を記録していこうというのがこの”愛車の性能を手軽に見える化”シリーズです。
施工に来て頂いた時に、お互いのM3を乗り比べて(実際にハンドルを握って頂いて)評価し合うのを楽しみにしてくださるオーナー様もいらっしゃるので、僕のM3の仕様を書いておきたいと思います。
アップデート:2024/7/28
日常の楽しさアップを重視し、操作に対するレスポンスアップに特化したアップデートを実施
比較するなら純正の新車が理想です。でも無理なので、よくある故障箇所を一通りリフレッシュした今の状態を基準にして頂きたいと思います。
なるべくノーマルの特性をそのままに、自分の操作に対する応答性(レスポンス)アップに関するアップデートをしています。
アプリが完成したらパワーアップに関するアップデートも実施して数値で変化を見ていただけるようにしたいと思いますが、今は性能アップは極力抑え、日常での楽しさアップを狙ったアップデートをしています。
パワークラスターエンジンオイル

パワークラスターレーシングオイル漆黒 0w30を入れています。純正の10w60と比べてかなり柔らかいので、レスポンスは鋭いです。故障リスクが高いのではないか?と他のショップさんに言われていますが、5年間入れ続けて今の所壊れていません。
大丈夫な根拠は、実はオイル業界の特殊性ゆえ証明が非常に難しいのですが、コンプレックスエステルをベースオイルに利用していることやパワークラスター独自の油膜調整剤を利用していることが強靭な油膜保持能力を実現しているようです。
ただ自動車の専門家であれば、純正指定粘度を推奨するのではなく目的や用途・これまでの経験によって最適な銘柄や粘度をチョイスしているようです。
ICE FUSE

超低音冷却処理で金属配列が整えられたヒューズです。メーカーが、もともとオーディオの音質改善の為に開発した物が、全部ヒューズ変えてみたらパフォーマンスも上がった!と売り出している商品です。D1などのモータースポーツでも採用されているようです。僕はエンジンコントロール部分と燃料ポンプとSMGへの電源供給のみ変えています。これはインジェクターやイグニッションコイル、電磁弁などに対して電気指示信号の伝達速度が上がれば車のレスポンスが上がるのでは?と考えたからです。アルミテープチューンと同様に都市伝説扱いされそうなパーツですが、僕はトルク感がアップしたなと感じています。
Turner製 CSLスタイル カーボンエアボックス
CSLスタイルカーボンエアボックスといえば、カーボニアスが王道ですが、乗り比べたところTuner製の方がサウンドもレスポンスも官能的です。ただし、4000rpmまでの燃料調が合わないので、ベースマップおよびWOTマップのチューニングが必要です。
しかし、NAM3Forumで共有されたDIYチューニングアプローチのおかげで、最も安価にS54エンジンの旨みを引き出すことができます。
深澤自動車軽量フライホイール

深澤自動車さんの軽量フライホイールを入れています。クラッチは純正です。これに慣れると純正には戻れないです。ジャダーや振動は全く気になりません。
CSLシフトプログラム
シフトスピードの早さ、シフトダウン時のブリッピング&滑らかさは、純正と比べ物になりません。軽量フライホイールとの相乗効果で動きにダイレクト感が出て楽しくて仕方ありません。まだ施工されていない方はDIYに挑戦してみてください。(ご依頼も受け付けております。)
Buildjornal B-spec Tune Throttle Sports+
コーナー立ち上がりやシフトチェンジ後のエンジンレスポンス応答性とドライバーのアクセルペダル操作とは別に車が勝手に制御しているスロットルの動作特性(トルクマネージメントと言われています。)を、レスポンス重視に変更するものです。
これによって、アクセルを踏んだ瞬間の強烈な加速感がそのままどんどん伸びていくフィーリングに変わります。ノーマルに慣れているとおっとと、、いう感じで人間が置いていかれる感覚に変わります。さらに、1速、2速でアクセルをドカンと踏んだ時、ガックンガックンして少しアクセルを抜かないとまともに走れなかったと思いますが、これが無くなります。この問題はダブルマスフライホイールやデフマウント、サブフレームブッシュのヘタリが原因と思われていたかもしれませんが、スロットル制御特性も一つの原因でした。
これまでスロットルチューニングといえば、アクセルペダルとスロットル開度の相関修正するだけのものでしたが、その他のパラメータを調整することでよりアクセルに対する応答性の高い特性に修正することができます。このチューニングは本来B-spec tune(DMEチューニング)のオプションで選択できるものでしたが、解析してスロットル部分だけのパラメータをコピーできるようになりました。)
ノーマルDMEデータにもコピーしてみましたが、いい感じです。
サクラムフロントパイプ
フロントパイプをエキマニの延長で考えて、低速でのトルクアップを狙って開発されたものです。音も純正と比べるとかなり大きくなりますし、スポーティーな演出もしてくれます。マフラーはノーマルです。
CPM
フロアトンネルの架橋を繋げてボディ剛性アップするパーツです。Studieさんがめっちゃ効果あるよ!と宣伝されていますよね。他のオーナーさんも体感できた!とレビューされています。僕も体感できました。高速で車線変更するだけで、ステアリングレスポンスが良くなることを体感できます。一方で、車線変更でここまでのレスポンスはちょっと邪魔だなとも思いました。
Z3(Mではない)ステアリングラック
ラック交換といえばZ4M純正か標準Z3かCSL純正かパープルタグのラックかの四択の中、最もコストの安いZ3を選んでます。これは楽しいの一言です。
ビルシュタインB12
純正形状のサスペンションです。輸入代理店のガイドを要約するとノーマル特性だけどちょっと固めだよ、と受け取れました。KWに比べ、ロールした後の立ち上がりが早いですね。街乗りでは小さい段差でも感じる突き上げ感が強めなのが気になります。乗り心地を除けば、高速コーナーでの接地感やタイヤの上下の動きを感じ易く、スライドするかしないかのギリギリ感がよく分かりコントロールしやすいです。
アルミテープ
都市伝説の代表格でしょうか?僕は、定番のステアリングコラム下とエアクリボックスの段差付近に貼ってます。効果があったかどうかはもう忘れてしまいました。4年前に貼ってそのままです。慣れちゃうとそんなものですよね。
パワークラスターデフオイル
パワークラスターのデフオイルです。ショップさんの特別オーダー仕様です。これももう4年は入れ続けているので、変えた時の体感は忘れてしまいました。他のメンテと同時にやってしまったので、体感が薄かったのだと思います。残念。
パワークラスターミッションオイル
こちらもパワークラスターのオイルで、ショップさん特別オーダー仕様です。SMGのギアチェンジ速度が早くなりました。停止する時に1速に戻るスピードが純正と比べ半分くらいになりました。
GruppeMブレーキライン
Gruppe Mのメッシュブレーキラインに交換しています。ブレーキフィーリングのダイレクト感を期待して入れました。思ってたよりもダイレクト感は得られません。多分パッドの影響が強いのだと思います。
DIXELブレーキパッド
DIXCELのTypeMだと思います。購入時の納車時に、新品に替えて頂きました。日常ではダストが出なくて良いのですが、奥が全然効きません…。乗り換えたばかりの時に、峠の下りでフルブレーキかけたら、全然効かなくて死ぬかと思いました。笑 いくら踏んでもスルスル〜って感じでした。
Hankookタイヤ
ハンコックのv12 evoを入れています。F:235/40R18、R:265/35R18です。純正より幅広なのは、ハンコックの前にナンカンのNS2-Rを入れていて、純正同等サイズがなかったので上記サイズで入れました。交換した時にそのままのタイヤサイズを継続したという流れです。
この他にダビンティのプロツアラーを使ってみましたが、ちょっと硬すぎる感が強めです。バランスを考えたらハンコックが良いなと思ってます。