E46 M3 DIY M-track modeのコーディング手順
E46M3のM-track modeのDIYコーディング手順を掲載します。
世界的には以下リンクの手順が最も有名ですが、このブログではもっと簡単な方法を掲載しています。
Retrofitting M-track Mode on MK60-equipped E46 M3sM-track modeのコーディングにはBMW Standard toolsまたはBMW Advanced toolsに含まれるNCS Expertというアプリを使います。
しかし、近年BMWが規制を強化している影響でこれらのソフトウェアが入手しづらくなりました。
おかげでDIYで行うハードルが上がってしまいました。なので僕の方で、有償ではありますが作業支援を行っています。(オーダーはこちら。)
このガイドはある意味僕のメモとして掲載しています。
Tips
上にリンクを貼った大元の手順書では「Expert mode」で解説されていますが、最新のBMW Advanced toolsでは「Expert mode」が用意されていません。
そこでBMW Advanced toolsで最初から用意されている「Factory Coding」モードでも行うことができたので、このブログでは「Factory Coding」モードでの手順を紹介しています。
NCSExpertのバージョンによってボタンの名称が異なります。この手順ではBMW Advanced toolsの最新版の画面を使っています。
ご自身でExpert modeを追加して施工することもできます。追加方法は以下の動画で解説されていますので参考にしてみてください。
また、NCS Expertでトラブルが発生した場合以下の記事でよくあるトラブルをまとめていますので参考にしてみてください。
注意事項
対象車両
M-track modeは、2003年以降(正確には2002年の9月以降らしいです)のM3にしかコーディングできません。
理由は、内部にM-track modeの機能が備わっている“MK60”というモジュールが含まれている車両が、2003年以降のモデルだからだそうです。
コーディングは、プログラミングと違って内部に備わっているけど裏に隠れている機能を、表に呼び出すアクションなので、ないものはできないというわけです。
前期型オーナーさんで、コーナーでの失速感がつまらなすぎてDSC OFFにされている方は多いと思いますが、M-trackと同等の機能をDMEチューニングでできるメニューもあります。
よかったらチェックしてみてください。
参考:E46 M3 前期型オーナーさんの救い BUILDJOURNAL B-SPEC TUNE
推奨事項
手順書ではM3のソフトウェアを2005年の最新版になっていることが推奨されています。(最新版でない方は、winKFPを使ってご自身でアップデートされるか、ディーラーまたはISTAを導入されているショップさんにご依頼されることをおすすめします。)
私にご依頼いただく場合は、ご要望を伺ってアップデートします。
車の操作について
SMG車の場合、DSCボタンをOFFにすると使えるシフトロジック“6”は、M-track modeでは使えません。
M-track modeが使えるシフトロジックは“5”までですので、あれM-track modeにできないぞ?と思っても慌てないでください。
施工について
あと、この手順を実行したあと、M-track modeのシンボルが点灯しないケースがあるようです。
その場合、ライトモジュールに、M-trackシンボルが点灯するようにコーディングが必要になります。
コーディングはこちらのガイドを参照してください。
コーディング手順の概要
CSLプログラミングでお馴染みの、K+D-CANケーブルを車両とPCに接続します。
車のイグニッションキーをエンジンかける手前まで回します。
ケーブルランプがついて、接続されたのを確認します。
以下の手順は、NCSExpartを立ち上げたところからスタートしています。
M-track mode DIY process by Factory coding mode
選ぶのは、AKMBとALSZどちらでも良いそうです。
これはそれぞれメーターモジュール(AKMB)とライトスイッチモジュール(ALSZ)をさしています。この2つどちらを選択しても良い理由は、このモジュールに他のモジュールの識別子(VO/FA)が書き込まれているからだそうです。この2つのモジュールが、車の中央集権的な役割をしているそうです。
下2つのKMBとEWSはそれぞれ旧型メーターモジュールとイモビライザーモジュールを指しています。
上2つと下2つの用途の違いは、車の製造年月が2000年9月以降であれば上、以前であれば下となっています。
E46M3の場合、下2つを用いることはありませんのでこの記事では説明を割愛します。
VINは車両から読み出されて勝手に入っているのでそのままでOKです。
jobはこの手前の手順で設定した“FA_WRITE”のままでExcute(実行)してOKです。
この時のjobはこの手前で設定した“SG_CODIEREN”のままでOKです。
基本的なコーディングはここまででOKなのですが、“ステアリングラック”と“ブレーキコンポーネント”が“CSL”のものではない場合、以下のコーディングが必要になります。
以下の手順は、これまでの設定を変えずに、続けて行って行きます。
追記:ここでモード変更すると、ECUが選択されない状態に戻ってしまいます。以下にECU選択手順を追加しました。

Process ECUを選択してECUを選び直します。
ここでRead ECUをクリックすると、Windowsのローカルディスク内にあるはずの、NCSEXPERフォルダ内のWOEKフォルダ内にあるFWS_PSW.TRCというファイルにパラメータが書き込まれます。
上記ファイルの所までエクスプローラーからドリルダウンしていきます。
これで完了です。
お疲れさまでした。
アプリを閉じて、キーも戻して、ケーブルを抜いてしまっても大丈夫です。
この変更をすると、時計とか燃費とか走行距離とかもろもろリセットされるので、驚かないでください。
手順で掲載している画面キャプチャは、流石に全部を取りきれなかったので所々流用しています。(なので実際と違うデータが表示される部分は白で隠しています。)
もしかしたら若干違う所もあるかもしれません。