ISTAやINPAがインストールされたPCのメンテナンス&アップデートサポート
今回、ISTAなどがインストールされているヤフオク診断機を購入したけど、
- PCが遅くて使いにくい
- ISTAの使い方を購入元に聞いても深いことは分からない
- 代替のINPAもスペシャルテストが無いしドイツ語なので使えない
という悩みのご相談を頂き、パソコンのメンテナンスとソフトのアップデートやサポートをしました。
ご相談頂いた方は中古車販売店の社長さんです。
以前CSLプログラムを施工代行させて頂いてから、E46系の取り扱いを強化していきたいということで、どんな診断機が良いかちょこちょことご相談をいただいていました。
将来の車両ラインナップやサービスの拡充の予定をお伺いして、それにマッチしそうないくつかの診断機の特徴をなどを調べてお伝えした所、投資効果が高そうなヤフオク診断機を選ばれました。
いざ手元に届いて使ってみたところ、使いこなせないということで診断機のメンテナンス&アップデートをサポートのご依頼を頂きました。
最初は実際のトラブルに対するリモート診断サポートから
依頼の前にご自身で試行錯誤されて、それでも解決が無理だったということで相談を頂きました。
解決したかったトラブルは、E46M3のABS(DSC)プレッシャーセンサーエラーが消えないというものです。
状況は、トラブルで入庫されたオーナーさんのお車を、お手持ちの汎用診断機(機種不明)でスキャンしたところ、プレッシャーセンサーエラーが出たのでセンサーを交換したものの、リセットしてもエラーが消えないということでした。
ヤフオク診断機を購入してISTAでエラーコードを読み取りしても、ISTAではエラーがでないのでヤフオク診断機は機能しているのか?と心配でご相談を頂きました。
なのでISTAとソフトの根幹は同じINPAでエラーコードを読み取ってみたらどうかとお話をしました。
しかしINPAの使い方はさっぱりということで、リモートでINPAによる操作サポートと合わせてPCの設定確認とISTAの使い方のコーチングのご提案をし、オーダー頂きました。
この時にPCやインストールされているソフトウェアなどチェックしてみたところ、"現場で本当に使える"ところまでは考慮されておらず、ネットで書かれている王道のソフトをとりあえず入れたという印象を受けました。
僕としては余計なソフトは入れず、ISTAのインストールとメモリーの増強だけで十分価値がある気がしてます。(シンプルイズベストです!)
いろんなソフトを入れるよりISTAの使い方をもっとマスターして、有料でも良いので診断機を購入された方のサポートを充実して頂いた方が価値がある気がしてます。
僕はプライベーター(オーナー側)ではあるものの自分で実際に使っているので、本当に使いやすいようにPCの設定をしています。
なので診断機をよく使う社長さんのつもりになって、使いやすいと思う状態に整理させて頂きました。
PCのメモリーを4GBから16GBへ変更して速度が改善
ヤフオクで販売されている診断機は中古のPCをリユースされていますね!
でもISTAの推奨メモリーが16GBなのに4GBは流石にイケてないです。
ということでPCをお預かりしてメモリーアップデートを行いました。
PCの仕様をPCのメーカーサイトでメモリーの仕様を調べ、それに合うメモリーを購入し交換しました。
交換後は超快適です。
交換前は、ISTAを起動しているとメモリの使用率が常に100%状態でしたが、メモリアップデート後は30%弱で安定し、他のソフトの同時利用も問題なく行えました。
メモリーはご時世16GBでも3000円未満で買えるので、ここをケチってはいけないと思います。
ISTAの動作環境で、CPUはクアッドコアが推奨だった気がしますが、中古PCはデュアルコアでした。
でも最低要件がデュアルコア(の2018年頃のIntelCPU)だったはずなので、ここは変えられないのでこのままでいきました。
それでも快適に動きます。
メモリも最低要件が4GBではあったと思うのですが、メモリの方が動作への影響が大きいのですね。
ISTAの説明はゆっくり丁寧に行いました
初めて日本語版のISTAを使ってみましたが最高ですね。
- WDS(電気配線図)も見れる
- TIS(整備要領書)も見れる
- テストプランで、エラーコードに対して何をすれば良いかかなり具体的に書いてある
ので、これに従っていればほとんどのトラブルは解決できると思いました。
SMGに関するトラブルもISTAさえあれば、問題なく解決できると思いました。
でも、このように感じたのは僕がある程度経験を積んでいて、どこをどう触ったらどんな情報が手に入るか予想(仮説)が立てられるからかもしれません。
初めての方には何が何だかさっぱり分からないかもしれません。
なのでBMWのサポートが受けられない方、またはBMWの認定になる投資効果が見合わない方にとっては僕のサポートの価値が出るのかもしれない、と感じました。
一緒に操作しながら納得できる問題解決の方向性を見つけた
今回、ISTAでABSセンサーのエラーを拾わない問題については、特定には至りませんでした。
なのでISTAで色々とトラブルシュートを試みた結果、全センサーの調整を行ってみるという方向性を一緒に見つけられました。
ISTAを一緒にいじくり回して、ガイドを発見することができました。
既にISTAに使い慣れてる人にとっては当たり前でこんな簡単なことで困るのか、と思うかもしれません。
でも自分が初めて行うときは、うまくいくか、失敗して大変なことになってしまったらどうしようとハラハラドキドキしながら覚えていったと思います。
それが好きで自分で突っ走れる人もいれば、そうではない人もいると思います。
僕は後者の味方で在り続けたいです。
バックアップとしてのINPAセッティング
ABSセンサーエラーを拾わない問題に対して、ISTAの問題の可能性除外の為にINPAでの診断も試みました。
しかし、言語がドイツ語と英語が混ざって非常にわかりずらい上に、スペシャルテスト項目がありません。
また、INPAの最終バージョンは5.06ですが、ヤフオク診断機のINPAのバージョンは5.00でした。
そうなると心配したのは、肝心の車両のプログラムファイルが保管されているSP DATENのバージョンでした。
ちなみに僕が把握しているSP DATENの最新は68.1です。
それに英語版があるのに英語とドイツ語が混ざったものがインストールされていたので、ソフトをちゃんと評価しているのかな?とより心配になりました。
とは言っても5.06でもSMGに必要なスペシャルテストがあったりなかったり、MINIなどのモデルに対応してたりしてなかったりとさまざまなバージョンがあるので、コレ!っと特定するのは難しいというのは理解しています。
これらの話をして逆に社長さんの不安を煽ってしまったかもしれませんが、社長さんはE46を強化していきたいとのことだったので、E46の必要メニューが網羅されているINPAのバージョンを探してインストールしなおしました。(SP DATEN込み)
ダウンロードはE46 FANTATICのこちら からです。
その他、E46M3で僕がよく使うソフトもインストールしました。
- ECUWORX E39 M5 & E46 M3 ECU / DME Utility(学習値リセットツール)
- BMW flash(DMEパラメータの読み書きツール)
- BMW logger(データロガーツール(一部データ))
- testo(データロガーツール(全データ))
このtestoというデータロガーは、未だ代わりがないほど細かくデータが取れるので古いソフトにもかかわらず人気です。
特にDMEチューニングをDIYするなら必須です。
古いソフトが故に、動かすにはVisual C++ 2012も入れないといけないので、これをインストールしました。
デスクトップ画面も整理しました。(使わないソフトは奥にしまっておく主義です。)
(あと無理にWindows11にしないで欲しいなとも思いました。やるなら、コアなBimmerが使うソフトを調べ上げて、それが全てWindows11の動作確認が取れてからか、ISTAだけのインストールに割り切った方がいいなと思いました。)
今回診断した車両は、現状チェクランプが出なくなったようなので一度お返しされたそうです。
なのでもしまた入庫があったら、INPAを使ってセンサーの値を見たり、再調整をしてみたいなと思ってます。
診断機に関するサポートを受け付けています
今回はISTAやINPAを快適に使うためのサポート事例をご紹介しましたが、そもそもどんな診断機を選んだらいいのか、持ってる診断機でどこまでできるのかなどの調査や、良い車を永く大切にしたいと考えてらっしゃる方の相談はなんでも受け付けています。
INPAやISTAだけではなく、AutelやFoxwell、BimmerGeeksProtoolなどがあります。これらのツールでコーディング、リプログラミング、チューニングなどどこまでできるのか?どの世代の車種まで対応できるのか?などが整理できたら、間違えてやりたいことができない診断機を買ってしまうリスクを減らせるかもしれませんね。
特に整備工場さんであれば、EV大以降時代に今の整備事業を今後どうしようか、くそ忙しいのに若い人は入ってこないし、入ってきても辞めちゃうし、インボイス制度やら車検のOBD検査対応など、どうしていいか分からない不安を抱えつつ日々の忙しさで流してしまっていると思います。
そもそもBMW以外の車両も取り扱っている、または取り扱いたいなど事業プランがあるものの、高度なコンピュータが組み込まれているネオクラシック世代が増えてきて、何を選べばいいか分からないし、問屋に聞いても詳しいことはいまいち分からないし、そもそも何を聞けばいいかも分からないかもしれません。
なのでここは一流企業相手にプロのコンサルとしてサービス提供してきたスキルと、メンテナンス現場で親方や職人さん達とうまくやってきたスキルを組み合わせて、かゆところに手が届くサポートができたら嬉しいです。
費用は、個人のオーナーさんは20,000円固定で、整備工場や中古車販売などの事業者さんは20,000円〜100,000円程度を考えています。
(このコンテンツで記載した事例の費用はサービス料40,000円+メモリー実費2,800円を頂きました。)