E92M3 全国から北杜市白州町に気持ちを頂きました


6月は、E92M3のDME書き換えオーダーを、全国から北杜市白州町の"M"eetup Hubに4件いただきました。

オーダーの内容はコールドスタートデリート、DCT GTSプログラムでした。

今回はオーナーさん達とお話しをして得た気づきや、今後の取り組みについて書いておきたいと思います。

詳しくはオーダーを考えてくださってるオーナーさんにプレッシャーを与えてしまうので書きませんが、オーナーさん達からさまざまな形でお気持ちいただきましたので感謝を述べておきたいと思います。


目次


DCT GTSプログラムはINPAでバージョン確認を忘れずに


横浜から白州までお越しいただきました。またリモートで兵庫県のオーナーさんのサポートをしました。

横浜からお越しいただいたオーナーさんは、僕が横浜にいた時、E46M3のCSLプログラムのサポートを行なったオーナーさんで、今回リピートしていただきました。

テスト走行中、ずっと話していたのがE46M3のCSLプログラムほどギャップを感じないということでした。笑 

そこが非常に残念そうでした。笑

ご家族と一緒に来られていたので、帰りに高回転域は試せなかったそうです。

ネットで色々書かれている通り、バックギアの入りは早くなったことを体感されていました。

気をつけたいのが、体感できないのでちゃんと書き込まれている事を確認しないといけないです。

兵庫県のオーナーさんの支援は、WinKFPのリモートインストールからのGTSプログラミングだったのですが、僕がWinKFPの設定を忘れて書き込みをしてしまったので、最初はうまく書き込めませんでした。

オーナーさんに試走してもらって、変わっている気がするとおっしゃっていたのですが、 INPAでバージョンを確認するとZBNo.が変わっていません。ここで設定を忘れていたことに気づき、プログラムをやり直してうまく行きました。


電源安定化装置最高


コールドスタートデリートをMSS6xFlasherを使って書き換えようとすると、最初のフルバイナリ読み込みで1時間前後かかってしまいます。

この間、バッテリーだけで持たせるのは正直これまで不安でした。(僕のE46M3ではしょっ中放置ですが。笑)

遠くから来ていただけていること、以前プログラミング中DMEを飛ばしてしまったことを踏まえて、電源安定化装置を導入しました。(飛ばした原因はUSBケーブルを引っこ抜いてしまったことですけど..)

めちゃめちゃ快適です。(気持ちの問題。)

ECUWORXのバイナリツールの無制限ライセンス購入で約75,000円、電源安定化装置で約70,000円。

コールドスタートデリートをオーダー頂いたオーナーさんが、合計6人ほどですので、まだ投資回収できてません。笑

E46M3もそうですけど、オーダーが来る時はガバッときて、落ち着いている時はとことん落ち着いてる不思議なので、気長に構えてます。笑

※安定化電源装置は、Autool em365 110Vです。


QuickFlashの導入を検討

MSS6xFlasherは無料で使える非常にありがたいツールなのですが、

  • フルバイナリの読み込みに1時間程度時間がかかってしまうこと
  • RSA bypass(セキュリティー突破)を通すのに手で操作が必要
  • パスを通した後エラーコードのオンパレードをリセットするのにISTAの起動が必要

というめんどくささがあります。(ちょっとなんですけどね。)

QuickFlashだとこれを全てワンストップで対応してくれる良いツールなのですが、現在の円安レートで8,000円くらいかかってしまいます。

今は、事業がプレプレシード期という最もお金がない時期なので、導入は見送りました。

黒字になったら入れようと思います。


コールドスタートデリート後のファンの異常回転

ラジエーター冷却ファンか、ACファンか分かりませんが、コールドスタートデリート適用後に、ファンが異常回転するようになったと感じることがあるようです。

ちょっと調べてみましたが、これはコールドスタートデリートの施工とは無関係そうです。

コールドスタートの爆音が無くなったから気づいた別の問題の可能性がありそうです。

なので以下をチェックしてみてください。

  • 関連エラーコードのチェック
  • データロガーで実温度とセンサー温度のチェック
  • 冷却水や冷媒のチェック

タイムアタックチューニングサポートサービスを開発中

コールドスタートデリートのオーダーを頂いたオーナーさんの一人から、サーキットタイムアタックのタイムアップを目的とした、カスタムDMEチューニングをしたいと相談をいただきました。

僕は、チューニングしてはい終わり、という考え方やアプローチが苦手なので、長期的に詰めていくという案を提案して、やってみようということになりました。

まずは現仕様のまま詰められるところまで詰めたいというオーナーさんのご意向を尊重し、走行データを取ってもらって、現状分析をするところから始めたいと思ってます。


走行データの分析

各コーナーセクターのアクセル全開率と時系列エンジン回転数を可視化します。

これによってアクセル全開領域にフォーカスすべきか、中間領域も見ていく必要があるか、どのエンジン回転数領域を見ていくべきかチューニングの方向性を定めます。

チューニングしなくても、ドライビングだけで改善できるかもしれません。

オーナーさんが最も満足できる次のステップを見つけます。


DSC M driveモードのコーディング検討

E92M3も十分ハイパワー車ですよね。アクセルワークもかなり高度なはずです。 普段はDSC OFFで走行しているようですが、適度なアシスタントはタイムアップにつながる可能性が高いです。

2011年ごろに出たM3のコンペティションパッケージにM driveモードというものがあるらしですね。

これをやってみるかどうか、オーナーさんと相談して決めます。

FA(VO)にNCS Expertを使って7MAを加えて書き込めばいいだけらしいので、問題なくできると思います。(E46M3のMtrackモードと同じなんですね〜)

EDCが備わってる場合、EDCのセッティングも変わるようですね。EDCのみオフにすることも可能なようです。この場合はコーディングオプションのいくつかの設定を変更します。


カスタムDMEチューニング

最初のステップは、燃料調整の最適化とトルクマネジメントを見直して、出力特性をアクセルの踏み方に合わせてマッピングし直したいと思ってます。

スポーツエアクリ、触媒レス、マフラーに変えているようですので、空燃比をちゃんとみたいと思います。

最初は、ECUWORXのツールから実行できるAReeve Performanceマップから始めてみるのも良いかなと思ってます。

そこからまたデータを取って、燃料調整、点火タイミング、バルブタイミング、トルクマネジメント、冷却ファン作動温度などをオーナーさんのドライビングに合わせて調整していきたいと考えています。

もちろんノーマルデータは保管して、いつでも戻せるようにします。


費用は、1回の施工で30万!という短期アプローチではなく、最初は90,000円ほど頂いて、調整の度に30,000円という流れでオーナーさんのフィードバック反映を重視する長期アプローチで考えていきたいと思います。

こちらのオーナーさんは、うちから比較的近場にお住まいで、しかもうちにいるのと同じフレンチブルドックを飼われているようです。(オーナーさんはフレブルを溺愛されてる感満載ですが、僕はガッツリ嫌われているのでドライです。)

フレブルに関しては温度差がありますが、これも何かのご縁で仲良くしていただけたら嬉しいです。

データの取り方をこの次のコンテンツにしますので、少々お待ちください。

OBDデータ取得ツールはOBD Link MX+を選ばれました。データ取得アプリはTrackAddictを使う予定です。


E9xM3のDMEチューニングを研究されている方のご紹介

E9xM3のDMEチューニングに関しては、こちら(feminization-racingさん)が研究されていますね。XDFファイル作成プロジェクトを主導されています。ぜひ参考にしてみてください。



ECU(DME)チューンを勉強し続けるのは、複数の持続可能燃料を柔軟に使えるようにしたいから※ここから先は僕のポエム

このブログを8年前に始めた当初から、この1点を目指し続けています。

会社員だった頃も今も、仕事として持続可能な社会を本当に実現するためのサービス開発を続けています。(世界的にやってるフリの会社がほとんど、というのを目の当たりにして衝撃です。)

会社員時代、仕事というか、組織に属していてはちょっと実現が怪しそうと感じていたので、バックアップ案として趣味のアプローチから何ができるか、と始めたのがこの'M'です。

興味の赴くままにモノを買い使い捨てる消費思考では、地球はもたないというのが学生時代からの肌感というか危機感がありました。

かといって、人類が積み上げてきた楽しみ(消費)をいきなり取り上げるという理想は非現実的です。

地球環境的には待った無しですが、いきなり取り上げたら戦争やらなんやと、別の部分で持続不可能な社会になってしまう可能性を感じています。

やっぱりバランスを取っていかなければいけないと、僕ができることを考えた時、"良い車を長く大切にする"の体現とメッセージの発信かなと思いました。

新しいものを作るを減らしてエネルギー消費を大きく減らし、良いものを長く使えるサービスを開発することで経済循環を促すというイメージです。

一応8年は続いてるわけで、頑張ってる方かな?(最初から長期戦のつもりです。)

誰かがなんとかするだろう、自分には何もできないと指を咥えて待ってる地球生物にはなりたくなかったので、自分ができることを見つけるために試行錯誤をし続けていました。

もちろん車を売らざるをえなくなる危機もありましたが、選択と集中でなんとか乗り切りました。

"やりたいこと"と"できること"の間を行ったり来たりしながら。

時には発信メッセージに悩んだり、利益獲得に揺れそうになったり、人間味はあふれていたと思います。

今も昔も重くならないように、押しつけ感が出ないように、を気をつけています。

会社員時代は、次の世代に対して押し付け感を与えてしまい失敗しています。

でも僕もどちらかというと古い考え方のタイプなので、"1台を永く大切に乗り続けられる文化醸成に貢献"とは僕ができる最大限の柔らかい表現かもしれません。笑

しかし今の進捗は、僕が想像していたより早く実現できるかもしれないというが今感じていることです。

僕の未完成のサービスを利用していただけるということは、僕が目指したい社会の実現に貢献して頂いているのと同義だと思い、オーダーしてくださるオーナーさんには感謝しています。(大赤字ですが!笑)

車以外でも、僕の想いに共感して協力してくださってる方々のおかげで進むことができています。伝わらないと思うけど、この場を借りて感謝申し上げます。


"M"eetup Hub(自宅)からの景色をもっと堪能して頂けるように準備中


観光がてらにご家族で来ていただけることが多くなりました。ご家族が、オーナーさんについてきたことに後悔がないよう、くつろぎや癒しを提供できたらいいなと考えて準備中です。

その一つがリビングガーデンです。(自分がそこで仕事したいというのもあります。笑)駒ヶ岳の雄大な景色を見ながら、涼しい環境で白州の美味しい水で淹れたおすすめのブレンドコーヒーを堪能していただきたいです。(自分が)

もちろん、自宅内でもお待ちいただけますが、妻の予定と調整が必要ですので、ご家族がいらっしゃることを事前にお伝えいただければ準備をしておきます。

代車(全く整備してないMINI)をお貸しできますので、観光を楽しまれても大丈夫です。その為のガイドも準備中です。(MINIが途中で止まったらすみません。)

本当にノリと勢いと住宅購入補助金という邪な動機で移住してきたこの北杜市白州町。

景色の良さと水の美味しさは衝撃的でした。

このブログの初期コンテンツにも書いた、ECUチューニングの衝撃やエンジンオーバーホールの衝撃、エンジンオイルの衝撃、E46M3CSLプログラミングの衝撃など、それをはるかに上回る感動を得られました。

"M"も最初はその感動のお裾分けが目的でした。

お越し頂いたオーナーさんのご家族にも感動をお裾分けできましたし、TSUNAGI事業のお客さんである中古車屋さんオーナーさんも、うちに来た時には、"ここにいたら仕事する気なくなりますね”という感想でした。

ここに長年お住まいの地元の方ですら、ここの景色に癒されているようです。

なので、これをもっと堪能していただけるようにしたいなというのが僕の勝手な想いです。(押し付けにならないように)

こうやって、車の趣味は臭い、汚い、カッコ悪いの世間一般からの3Kイメージ脱却にも貢献できたら嬉しいです。

前へ
前へ

E92M3 コールドスタートデリート&スロットルチューンの施工

次へ
次へ

E92M3 コールドスタートデリートをリモート施工