NCSExpertのトラブルシュート

コーディングしようと思った時、突然「VIN is faulty」のエラーメッセージが出てコーディングできなくなってしまい、困っている方は多いのではないでしょうか。

VIN is faultyは通信が出来なくなってしまった時のエラーで、ほぼK+D CANケーブルの問題だと思われます。

僕が実際経験して改善できた例を、いくつか紹介したいと思います。

COMポート設定が変わってしまっている

コーディングや診断に関する殆どのアプリは、ポート設定をCOM1にする必要があります。

例えば、ケーブルを2本持っていたり、新しいケーブルに買い替えたりした場合、後に接続したケーブルは別のポート(だいたいCOM3)に設定されます。

この場合、WindowsデバイスマネージャーからCOMポートの設定をCOM1に設定してあげれば問題は解決します。

PCにケーブルがUSB3.0規格と認識されてしまう

K+D CANケーブルはUSB2.0規格です。最近のPCはUSB3.0〜3.2が主流だと思いますが2.0と互換性があります。

この互換端子にK+D CANケーブルを差し込むとたまに3.0と認識されてしまい通信出来ない事があります。

これは、実は素早く差し込むと3.0と認識され、ゆっくり差し込むと2.0と認識される標準的な技術仕様らしいのです。

これでも解決しない場合、差し込みを2mmほど浮かせるを試してみて下さい。

これはUSB3.Xと2.0では端子の内部形状が異なり、通電部分の形状の工夫でマルチ端子を実現しています。

本来であればユーザーは意識せず差し込んでも3.Xと2.0を間違えずに認識してくれます。しかし、例えばSurfaceなどの場合、何も考えず差し込むと2.0と認識してくれない場合があります。

その場合、”2mm浮かす”を、試してみて下さい。

ケーブルが壊れている

E46などの古い世代の場合、K+D CANケーブルは7番8番ピンを短絡させるスイッチ付きのモノでないとNCSExpertや、INPA(診断ソフト)が使えません。(E90以降は無くてもOKです。)

ケーブルを分解すると、この短絡線は極端に細いのに長く、強い衝撃ですぐ切れてしまいそうです。これまで紹介した方法を全部試みてもエラーが解消されないようなら、断線を疑った方がいいかもしれません。

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E46 M3 ライト関係をLED化した時のコーディング手順